「実家の片づけ、やらなきゃ…でもどこから手をつければいい?」
そんな悩みを抱えていた遠距離住の私たち姉妹が、思い切って3日間で一気に実家を片づけきった体験談です。
業者への依頼から、3日間のスケジュール、当日の段取り、費用感まで、私たちが実際にやったことを丸ごと公開。
・遠方に住んでいて、限られた時間で片づけたい
・高齢の親が元気なうちに実家をスッキリさせたい
・業者に頼むとどれくらい費用がかかるか知りたい
こんな方に参考になる内容です。
この記事を読むと、効率よく計画を立て、ムリなく片づけを終わらせるイメージがきっとつかめるはずです。
私たち姉妹が実家を片づけようと思った理由
きっかけ/親の体調や介護の心配、家が散らかり始めた状況
実家の片づけを意識し始めたのは、母の物忘れが目立ち始めた頃でした。
冷蔵庫には賞味期限切れの食品が残り、同じ調味料がいくつも並んでいる。
さらに母の部屋は、帰省するたびに足の踏み場がなくなるほど散らかり、認知症が進んでいることが目に見えてわかる状態に。
父も母を支えてはいましたが、年齢のせいか急に痩せてしまい、食事や日常生活のサポートが追いつかなくなっていました。
「このままだと転倒や事故につながるかも…」という不安が日に日に大きくなっていったのです。
「今やらなきゃ」と思った決定打
決定的だったのは、妹が帰省したときに見つけた“ねずみのかじった跡”。
「これはもう放置できない!」と、私と妹でLINEを飛ばし合い、事態は一気に深刻モードに。
両親の健康と家の安全を守るためにも、片づけは待ったなしだと覚悟を決めました。
親への声かけと了承の取り方
とはいえ、親にとって家の荷物は思い出そのもの。
「勝手に捨てられた」と感じると関係がこじれるリスクもあります。
私たちは、帰省のたびに何度も根気強く話し合い「安全に暮らせるようにしたい」「使えるものは残すから一緒に見てね」と伝えました。
最初は渋っていた両親も、少しずつ「じゃあこの部屋だけ」「この棚だけ」と了承してくれるように。
完全に納得してもらうには時間がかかりましたが、このプロセスがあったからこそ、後悔なく片づけを進められたと感じています。
実家が空き家になったきっかけと決意
施設入所の提案と親の反応
母の物忘れや体調の不安が少しずつ増えてきたころ、私たち姉妹は「そろそろ施設も視野に入れたほうがいいかもしれない」と話し合うようになりました。
最初のうちは、両親に提案してもなかなか受け入れてもらえまないまま何年か過ぎましたが、ねずみ出没をきっかけにようやく検討してくれるように。
次回帰省時(1か月後)に、まずはサ高住(サービス付き高齢者住宅)を見学して、スムーズにいけば次の帰省時に転居準備~転居へ、その後に実家の片づけをと考えていました。
パンフレットを見せると、「こういう所なら安心して暮らせるかも」と両親も少しずつ心を開いてくれていました。
父の怪我からの急展開
ところが、その矢先に父が用水路に自転車ごと落ちて骨折し、急きょ入院することに。
母ひとりでは在宅生活が難しいため、予定より早く施設への入所が決まりました。
突然の出来事で気持ちが追いつかないまま、あれよあれよという間に家が空になり、ぽっかりと静まり返った実家を前に、なんともいえない寂しさと現実感が押し寄せたことを思い出します。
「今こそ片づける」と決意
急展開で空き家になってしまった、まだ両親の気配が残る実家でしたが、思い出に浸っている時間はありませんでした。
父の病院付き添いや、母の施設入所~転院など、することも多い中、実家の片づけをどうするかも妹と話し合いました。
- このまま放置すると家の傷みも進むし、ねずみ出没による漏電などもこわい
- 父が入院しなかったとしても、数か月後には両親とも施設入所で家が空き片づける予定だった。片づけ時期が少し早まっただけ。
- 片づけるなら今しかない、後廻しにするともっと大変になる
そう自分たちに言い聞かせ、思い切って1回の帰省で実家を片付けよう!と姉妹で決意しました。
片づけの全体プランを立てる
ゴールを決める/「3日で終わらせる」と宣言
- どこまでやるか範囲を決める(家全体/一部の部屋)
- 優先順位を決める(危険箇所、生活動線、親の寝室から)
実家の片づけは、ゴールが見えないと延々と続いてしまいます。
私たちは思い切って「3日間で片づけきる」と決めました。
このゴール設定があったことで、
- 何を残して何を捨てるかの判断が早くなる
- ダラダラせず作業が進む
- 遠距離からの帰省スケジュールが組みやすい
というメリットがありました。
どこまでやるか範囲を決める/家全体or一部の部屋
まずは片づける範囲を決定。
今回は、両親が施設に入所するタイミングだったため、家全体を対象にして徹底的に進めました。
もしまだ親が住み続けるなら、
- 台所や浴室など生活動線
- 親がよく使う部屋
- 転倒の危険がある場所
から少しずつ着手すると負担が少なくなります。
優先順位を決める(危険箇所、生活動線、親の寝室から)
私たちの場合は、まず危険度の高いものから。
割れた食器、書類や雑誌で埋もれた床、消費期限切れの食品などを先に処分し、次に親の寝室やリビングを整えました。
家の中心となる場所がきれいになると、作業の達成感も得られ、モチベーションが上がります。
役割分担と準備
- 姉妹での役割分担(仕分け担当、業者対応担当など)
- ゴミ袋・軍手・マスク・エプロンなど準備品リスト
片づけ当日は、家族で役割分担を決めて動きました。
- 妹:仕分け担当(残す/捨てるをスピード判断)
- 私:業者とのやり取り、搬出指示、ゴミ分別
- 義弟:力仕事、家具の移動や解体
準備物はこんな感じ:
- ゴミ袋(燃える・燃えない用)
- 軍手、マスク、エプロン
- ガムテープ、油性マジック(ラベル書き用)、荷造り紐
- 飲み物、軽食(想像以上に体力を使うので必須!)
業者探しと依頼のコツ
業者の選び方
- 見積もりは2〜3社とる
- 「不用品回収」「遺品整理」「生前整理」など業者の得意分野
費用感を知る
- 家具・家電の処分費用の目安→自治体の粗大ごみ回収の制度や費用も確認
- 軽トラ1台分/2tトラック1台分の相場感
・軽トラ1台分:2〜5万円
・2tトラック1台分:6~10万円 (2018当時)
処分する量が多いと2台以上になるので、見積もり時に「追加料金の有無」を必ず確認しましょう。
スケジュールを押さえる
- 見積もり〜作業日までの流れ
- 土日や繁忙期は早めに予約を
業者選定後は、見積もり〜作業日の流れを押さえます。
- まずは下見見積もりの日程を確定←我が家は電話で概算見積、当日確定
- 作業日は家族全員が立ち会える日を選ぶ←我が家は、私・妹・義弟
- 繁忙期(3〜4月)は予約が埋まりやすいので早めに連絡
これだけで、当日のバタバタがかなり減りました。
3日間のリアルタイムライン
1日目(仕分けと分別の日)
- 午前:家中の物を出して「要る・要らない」をざっくり分けるをしながら、貴重品を探索
- 午後:午前の続き+親に確認して保留品を決める
- 夜:業者に翌日の回収依頼を再確認
朝、実家に到着してまずやったのは、家の中のものをとにかく「見える化」すること。
押し入れやタンスの奥に眠っていた服や紙袋、キッチンの引き出しの中身も全部出しました。
出したものは大きく3つに分けます。
「残す」「捨てる」「保留」 の3グループ。
保留は、両親に見せて確認が必要なものや、価値が分からないもの。
それと並行して、行方不明になっている貴重品(通帳、印鑑など)の確保。
夕方になったら業者に翌日の回収時間を再確認。
大きい家具や家電を搬出する動線を確保するため、通路や玄関も片づけておきました。
2日目(搬出と処分)
- 朝:業者到着、搬出開始(3往復)
- 午後:家具・家電や粗大ゴミの搬出終了、掃き掃除
- 夜:空いたスペースを確認し、残すものを配置
朝9時、業者さんが到着。
トラックと作業員さん3人で来てくれました。
まず家の中を見てもらい、回収する品を一緒に確認と同時に正式見積。
1時間ほどでトラックいっぱいになり、いったん処分場へ。
その間に私たちは残りの部屋の分別や掃き掃除を進めました。
午後、2回目の搬出でほとんどの大物家具と不用品がなくなり、部屋が一気に広く。
夕方は残った物を配置し直し、翌日の仕上げ掃除の準備。

3日目(掃除と仕上げ)
- 家全体の掃除
- 不要品、残置物の最終処理を確認
- 写真撮影
- (親が元気なら一緒に「片づけ完了!」を確認)
最終日は掃除メイン。
窓を開けて風を通し、床の掃除機かけや棚のホコリ取り。
片づけ後の家をひと部屋ずつ回ってチェックしました。
残したものも、他人にあげるもの、写真の納めてから処分するもの(アルバムや母の作品など)を最終チェック。
最後にビフォーアフターの写真を撮影。
これで達成感も倍増。
親も安心し、私たちも大満足の3日間でした。
当日の段取りと注意点
片づけ当日は、思っている以上に時間も体力も消耗します。
私たちも「今日は一気にやるぞ!」と気合を入れて挑みましたが、予想外のハプニングがいくつもありました。
ここでは、当日スムーズに進めるための注意点をまとめます。
貴重品・重要書類は事前に分けておく
片づけ当日、まず一番にやるべきは貴重品と重要書類の確保です。
通帳、印鑑、保険証書、年金手帳、現金、相続に関わる書類などは、部屋のどこに紛れているかわかりません。
とはいえ、荷物が多すぎて、それだけを探すことはかえって非効率と考え、同時進行していきました。
私たち姉妹は、下記のようなルールを作りました。
- 見つけた書類や貴重品はすぐに一か所に集める
- ジャンルごとに、箱やクリアファイルに分けて保管する
これをやっておかないと、片づけ中に誤って捨ててしまう可能性があるので要注意です。
思い出の品は写真に撮っておく
片づけの中で一番手が止まるのが、思い出の品。
アルバム、子どもの工作、旅行の記念品など、捨てるのは心が痛みますよね。
私たちは「残すか捨てるか迷ったものは写真に撮る」と決めて進めました。
スマホで撮影して、クラウドに共有アルバムを作れば、離れた家族ともすぐにシェアできます。
実際やってみると、写真に残すだけで気持ちがスッと軽くなり「これは処分していいね」と決断しやすくなりました。
ただし量が多い場合、これらは片づけの最中ではなく、片づけた後にまとめて行う方がベター。
片づけ中に撮影会が始まってしまうと、そちらに時間が割かれてしまって、片づけの手が止まってしまうからです。
どうしても業者に処分してもらわないと、後からの処分が難しいものは仕方ありませんが、そうでないものの撮影は後日に回しましょう。
親が疲れすぎないよう休憩を多めにとる
私たちは両親と一緒に片づけたわけではありませんが、それでも片づけは精神的にも体力的にもハードな作業です。
特に高齢の親は、思い出の品を前にすると感情が揺さぶられ、疲れが倍増すると思います。
時々休憩し、しっかりお茶の時間などとることも大事です。
「これ残す?捨てる?」と詰め寄るのではなく、一息入れて笑い話をしながら気持ちをほぐす時間を作ることで、親の機嫌もよくなり、作業がスムーズに進むと思います。
費用はどれくらいかかった?
今回お願いした業者は、地元の不用品回収業者さん。
電話で概算見積り、正式な見積もりは現地でしてもらい、
6LDK/2トラック4回分+作業員さん3名×1.5日 で、合計 約40万円 でした。
家具・家電の量によって費用は大きく変わりますが、私たちの場合は
- 応接セット、テーブル、座卓、デスク×4、食器棚など大物家具
- 洗濯機・冷蔵庫などの大型家電 、他小型家電(テレビ、電子レンジなど)数点
- 雑多な不用品(布団・衣類・食器・古い本など)数十点
を処分してこの金額。
「正直、高いな~と感じました。でも部屋数も物も多いからこんなものか~」という感じでした。
ちなみに、自治体の粗大ごみ回収 を組み合わせればもっと安くできる可能性がありますが、遠距離の場合はスピード優先で業者にお願いする方が結果的に楽でした。
実際にやってみて学んだこと
段取りを決めてから動くと早い
事前にスケジュールを立て、業者の日程も押さえておいたことで、迷いなく動けました。
短期間で片づけを進めるために最も代位なことと言えます。
完璧を目指さない
「とりあえず3日で家をスッキリさせる」がゴール。
写真や手紙、昔のアルバムなどは持ち帰って後で整理しました。
親と確認する時間をあらかじめ確保する
思い出の品を勝手に捨てるとトラブルになることも。
両親への「保留品」の仕分けを最終確認。
→我が家の場合は、父の物は怪我で入院中の父に画像で確認。
→認知症の母の物は、言うとかえってパニックになってしまうので伝えませんでした。
後日、母の作品や両親の写真などは、まとめて冊子アルバムにしました。
まとめ:3日で片づけるなら「計画8割・作業2割」
- 段取り次第で3日間でも実家は片づけきれる
- 業者に任せる部分と自分たちでやる部分を分けるのがポイント
- 費用感を把握しておくと迷いなく決断できる
実家の片づけは、思っている以上に体力も気力も使います。
でも、「親が施設に入ったタイミング」「家が空いたタイミング」 は、片づけを一気に進める絶好のチャンス。
- まずは仕分けのルールを決める
- 業者の日程を確保する/自分たちのスケジュールと合わせる
- 親との確認時間を作る
この3つを押さえておけば、短期間でも片づけは十分可能です。
片づけが終わったあとの家は、驚くほどスッキリ。
私たち姉妹も「こんなに広かったんだ!」と笑い合ったほどです。
親も安心して施設での暮らしを始めることができ、私たちも肩の荷が下りました。
次の記事では、片づけ前後にやるべき手続き(公共料金の停止、家の管理など)を詳しく紹介します。




