「実家を売ろう」と決めたとき、最初にぶつかったのが“手続きの多さ”。
私たち姉妹は九州と関東、それぞれ離れた場所に住んでいて、実家のある地方までは簡単に動けません。
限られた帰省日数でできるだけ効率よく進めたい――。
そんな思いで、売却の流れや必要書類を整理しながら、一歩ずつ進めていきました。
この記事では、私たちが実際に経験した「遠距離でもスムーズに実家を売却するための流れ」と「必要な書類の準備」についてまとめます。これから売却を考えている方の参考になればうれしいです。
売却までのステップ一覧(全体の流れをつかもう)
実家を売るときの流れは、ざっくり言うと次の5ステップです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 媒介契約を結ぶ
- 内覧対応(買いたい人に見てもらう)
- 売買契約の締結
- 引き渡し・決済
最初の「査定」は、家の相場を知るための大事な第一歩。
私たちは最初、一括査定サイトを利用して数社から見積もりを取りました。
ただ、実家が地方ということもあり、連絡をくれたのは地元の不動産会社2社のみ。
うち1件は対応が遅く正直がっかりしました。
最終的には、ネット検索で見つけた、一番対応が丁寧でこちらの事情をよく理解してくれた個人経営の不動産屋さんにお願いすることにしました。
メールや電話でのやりとりもスムーズで、信頼できる担当者に出会えたのは本当に大きかったです。
事前に集めた書類リスト(チェックリスト)
不動産の売却は、とにかく書類が多いです。
しかもどれも役所や法務局で発行されるもので、取り寄せに時間がかかることもあります。
そこで私たちは、事前にチェックリストを作って準備を進めました。
| 書類名 | 入手先 | 備考 |
| 登記済権利証(または登記識別情報) | 自宅保管 | 紛失時は司法書士に相談 |
| 印鑑証明書 | 市区町村役場 | 3か月以内の発行が必要 |
| 本人確認書類(運転免許証など) | ― | コピーでOK |
| 固定資産税納税通知書 | 市区町村役場 | 税額・評価額を確認 |
| 登記事項証明書(登記簿謄本) | 法務局 | オンライン申請可能 |
| 実印 | ― | 契約時に必須 |
遠方にいる場合、オンラインや郵送での申請を活用するのがポイント。
特に「登記事項証明書」は法務局のオンラインサービスで簡単に取り寄せられました。
また、不動産会社の担当者にあらかじめ「必要書類一覧」を確認してもらうと、抜け漏れ防止になります。
遠方でもできた手続き/現地に行ったほうが良い手続き
遠方でもできたこと
- 一括査定の申し込み
- 不動産会社との打ち合わせ(メール・Zoomなど)
- 書類確認と署名(郵送対応)
- 重要事項説明のリモート実施(IT重説)
不動産会社の方が郵送で書類をやりとりしてくれたので、ほとんどの手続きは自宅で完結しました。
ただし、名義人が高齢の親の場合は注意が必要です。
私たちの場合、最初に相談に行った時点では父が怪我で入院。
さらに認知症の症状も出始めたため、不動産屋さんから「名義を娘さんに変えてから売却する方がスムーズ」とアドバイスを受けました。
この時も、お願いした地元不動産屋の社長さんが細かい手続きや書類の取り方を丁寧に教えてくれて、本当に助かりました。
現地に行ったほうが良かったこと
- 不動産会社との初回打ち合わせ(信頼関係づくり)
- 家の状態確認と鍵の受け渡し
- 内覧や最終立ち会い
実際、初回に現地で担当者と直接会って話しておいたことで、その後のメールや電話のやり取りが格段にスムーズになりました。
「顔を合わせておく」って、やっぱり大事ですね。
契約日や決済日のスケジュール調整のコツ
遠距離だと、契約や決済のタイミングを合わせるのがなかなか大変。
特に、司法書士さんや買主さんの都合も関わってくるため、早めの調整がカギです。
- 帰省予定に合わせて、日程を早めに相談
- 委任状・印鑑証明書の準備は余裕をもって
- 書類は速達やレターパックでやり取り
- 買主側の住宅ローン審査スケジュールも確認
私たちの場合、契約や決済の日程は帰省のタイミングに合わせて調整してもらいました。
司法書士さんも不動産会社が紹介してくれたので、当日までスムーズに進行。
「地元に強い不動産屋さんを選ぶこと」が結果的に一番の近道だったと感じます。
まとめ
遠距離からの実家売却は、たしかに手間も多く、手続きも複雑です。
でも、きちんと流れを把握して、信頼できる不動産会社と連携すれば、無理なく進めることができます。
書類関係は「チェックリスト化」して、早めに動くのがポイント。
私たちも何度か郵送のやりとりでドキドキしましたが、事前準備のおかげで大きなトラブルなく終えられました。
この記事が、これから実家の売却を進めようとしている方の「準備ノート」になれば嬉しいです。



