実家を片づけ終えたあと、「さて次は何から手をつければいいんだろう?」と迷う方は多いです。
「実家の片づけが終わった!」――この達成感は大きいですが、ここからが本当のスタートです。
家の中がきれいになったとしても、光熱費や固定資産税は待ってくれませんし、空き家になった家は放置するとあっという間に傷んでしまいます。
私たち姉妹も、3日間で一気に片づけを終えたあと、
「そういえば電気代ってまだかかってる?」
「郵便物がたまると空き家だとバレそうだね」
と、次にやるべきことが次々と出てきました。
この記事では、私たちが実際に行った“片づけ後の手続きと管理”を順番どおりにまとめたチェックリストをご紹介します。
順番どおりに進めれば、安心して家を維持したり、売却準備に進めます。
これから実家を片づける方や、ちょうど片づけ終えたばかりの方の参考になればうれしいです。
1. 公共料金・契約の停止や変更
まず手をつけたいのは、毎月かかる固定費の整理です。
親が家に住まなくなったのに電気やガスを契約し続けると、使わなくても基本料金だけで数千円ずつかかり続けます。
電気・ガス・水道
それぞれの会社に連絡して、停止日を指定→基本料金の発生を防ぎます。
私たちは片づけ作業が終わった翌週に停止日を設定し、掃除や残りの荷物搬出に支障が出ないよう調整しました。
インターネット・固定電話・NHK
親名義のままになっていることが多いので、解約か名義変更を行います。
解約には契約者本人確認が必要な場合もあるので、免許証や保険証を準備しておくとスムーズです。
違約金がかからないタイミングを確認することも大事です。
郵便物の転送
郵便局の「転送届」を出せば、1年間は指定住所に郵便物を送ってくれます。
転送先は、親が入所している施設や子どもの家にしておきます。
重要書類や請求書の見落としを防ぐため、片づけ後すぐに手続きしましょう。
契約証明書や最終請求書は、相続や確定申告のときに必要になる場合があります。
すぐ捨てず、ファイルにまとめて保管しましょう。
2. 住所や書類関係の手続き
家が空になると、親の住所も変わるケースが多いです。
親が施設や別の家に移る場合は、住所変更も必要です。
住民票の移動
住民票が実家のままだと、選挙の投票所や介護保険料の請求先も実家住所のままです。
市役所で移動手続きをしておくと、後々のトラブルを防げます。
健康保険証や介護保険証の住所変更
医療費の自己負担割合通知や介護認定の書類が正しい住所に届くようにします。
銀行・年金・生命保険などの登録住所変更
親の年金や保険料の通知書も、実家ではなく新しい住所に届くように変更しておきます。
役所や金融機関は一度でまとめて回ると効率的。
私たちはあらかじめ必要書類をリストアップして、半日で全部済ませました。
3. 家の管理と防犯
空き家になった実家は、想像以上に傷みが早いです。
湿気で床がふにゃふにゃになったり、郵便物が溜まると「空き家」として狙われるリスクもあります。
鍵交換・防犯対策
我が家の場合は、鍵がどこにも見当たらず、両親に聞いてもわからなかったので鍵をかけれない状態でした。。
鍵を新しくすることも考えましたが、貴重品は回収し、いろいろ処分した後で取られて困るものもなかったのでそれはせず、1階と2階の一部屋ずつ照明を付けっぱなしにしました。
しっかり施錠したい場合は、鍵を新しくし、合い鍵を作る必要がある場合もありますね。
防犯カメラやセンサーライトを設置するだけでも安心感が違います。
換気・通水・庭木の手入れ
月1回ほど窓を開けて空気を入れ替え、蛇口から水を流すと配管の匂い防止になります。
庭木は近隣迷惑にならない程度に剪定しておきましょう。
我が家の場合は私たちが遠距離だったので、家の片づけ後に売却を依頼した不動産屋さんが月1くらいで確認に行ってくれていました。
夏にはどうしても雑草が生い茂って近隣に迷惑がかかるので、売却までの数年、年に2回除草をお願いしていました。
郵便受けの管理
郵便物がたまっていると空き家とすぐわかります。
親戚や近所の人に定期的に取ってもらうのも一案です。
我が家の場合は、月1くらいで確認に行ってくれる不動産屋さんがチェックしてくれました。
火災保険・地震保険の継続
「もう住んでないから」と解約すると、万が一の火事や自然災害に対応できません。
いずれ売却、解体する場合でも、火が出て近隣に迷惑をかける場合もあるかもしれません。
最低限の保険は続けておきましょう。
放置すると「特定空き家」に認定され、税金が上がるリスクもあります。
『特定空き家』とは?
4. 税金や費用を把握
家を片付けても持っている限り、維持費はかかります。
固定資産税の支払い時期を確認
固定資産税や都市計画税は毎年請求されます。
家を解体し土地だけになると、固定資産税が6倍になることもあり、数年は空き家のままでした。
今後は法律が改定して、「管理不全空き家」に指定されると土地だけの場合と同じく6倍の金額がかされるようです。
空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律/引用:国土交通省
管理・維持にかかる費用
草刈り、点検、シロアリ予防などの維持費も必要です。
年間費用を試算
上記を合計し、年間いくらかかるのかをざっくり試算しておきます。
意外と金額も大きく、親の預金などで賄えない場合は子供たちで負担します。
家計への負担を計算しておくことも必要です。
兄弟姉妹で分担する場合は、費用と役割を最初に話し合っておくと後々揉めません。
私たちはスプレッドシートを作り、支出を共有するようにしました。
5. 家の今後を考える
片づけ後は、家の「出口戦略」を考えるタイミングです。
売却
不動産会社に無料査定を依頼。
複数社に依頼すると相場感がわかります。
我が家の場合、私も妹も遠方で家もあり、戻る予定はなかったので売却一択でした。
最初は一括査定サイトでチェックし、3社に見積もり依頼しましたが、返事があったのは2社。
大体の相場観は得られました。
ただ最終的にはインターネット検索で問い合わせ、親身になって返信いただいた地元の個人でされている不動産屋さんにお願いしました。
社長さん自ら動いてくれて、管理から解体、売却まで、おまかせしてよかったと思っています。
賃貸
管理をどうするか、修繕費用を誰が出すかを決めておくことも大事かと思います。
我が家は賃貸は全く考えなかったので、具体的なことはお伝え出来ませんが、遠距離住みの場合は、管理を他にまかせることになると思うので、安易に決めないことが大事かなと思います。
残す
将来使う予定があるか(物置?セカンドハウス?)、定期的に通えるかを再確認します。
我が家の場合、売却後に私の長女が結婚後にあの家があったら修繕して住んでもよかったな~などと言っていましたが、いやいやねずみ出てたし、、というとちょっとひいてました。。
娘の中では、子どもの頃に遊びに行った祖父母の家の印象のままだったのかもしれんません。
家族間の意見が分かれることも多いので、早めに話し合いを始めておくとスムーズです。
まとめ:やることチェックリスト
最後に、この記事の内容をまとめたチェックリストをどうぞ。
電気・ガス・水道を停止
ネット・固定電話・NHKを解約
郵便物転送届を提出
住民票・保険証・銀行の住所変更
家の鍵交換・防犯対策
定期的な換気・通水・庭手入れ
火災保険・地震保険の継続確認
固定資産税の金額を把握
家の今後(売る・貸す・残す)を決定
このリストをひとつずつチェックしていけば、「やり忘れた!」と後から慌てることがなくなります。
私たちもこの順番で進めたことで、家の管理や費用の見通しがスッキリし、次のステップ(売却か維持か)を落ち着いて考えることができました。




