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有料老人ホーム費用「月額+見えない出費」総額はどれくらい?遠距離介護の実例

有料老人ホーム費用「月額+見えない出費」総額はどれくらい?遠距離介護の実例
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料金表だけ見て安心すると危険?

有料老人ホームを検討していると、必ず目にするのが「月額○○円〜」という料金表示。

家賃や食費、介護サービス費が含まれていて、数字だけ見ると「これなら払えそう」と思うかもしれません。

だけど、両親が実際に入居し、私たち姉妹が遠距離で支えてみてわかったのは——

「提示された金額は“最低限”であって、実際の支出はもっと多い」

特に、私たちのような遠距離の場合、交通費宿泊費などの負担は、入所後よりも施設を決めるまでの期間集中していました。

この記事では、有料老人ホームに入居した場合の実際の数字と、遠距離介護ならではの“見えないお金”の両方を紹介します。

介護付き有料老人ホームの月額費用の内訳と入居一時金

施設の入所一時金

介護付き有料老人ホームの入居一時金の相場は、施設や立地、サービス内容によって大きく異なるようで、一般的には数十万円から数千万円程度と幅広いです。

我が家の場合は、運よく?敷金15万円と良心的でした。

敷金なので、退去時には基本的に返金されます。

こちらは両親の預金からあてています。

施設の月額費用

次に施設側が提示する「月額費用です。

私たちの場合、母は当初要介護3で、以下のような金額でした。

  • 家賃:50,000円
  • 食費:56,000円(3食+おやつ)
  • 管理費:62,000円(水光熱費・共用部維持費など)
  • 介護サービス費(自己負担1割):25,000円(要介護3)
  • 冬季暖房費(11月~3月):4,000円

月額合計:約19.3万円~19.7万円

この金額は、入所後はほぼ固定で推移しました。

父は、母の入所1か月後に入所し、介護サービス費(自己負担2割/要支援2)約21,000円と多少違っただけでほぼ同額でした。

年に2回の健康診断や歯科検診などは都度別途請求があります。

これら金額は、母の年金だけでは賄えませんでしたが、父の年金と合算し、不足分は両親の預貯金から月々少しづつ補充しています。

出費が膨らんだのは「施設探し期間」

むしろ家計に響いたのは、施設を決めるまでの数か月間です。

両親の住む地域と私たち姉妹の自宅はかなり遠距離。

妹は新幹線含め片道3時間半。
私は飛行機含め片道6~7時間。

施設入所前は、突然の父の入院実家の片づけなどもあり、候補施設の見学や面談のために、妹と連携して集中的に帰省し、1週間以上滞在することもありました。

8日滞在時の費用

項目金額(円)備考
飛行機代(往復)43,000片道2.5時間
新幹線代(往復)16,500片道2.5時間
上記以外の交通費(往復)5,000乗り継ぎ、タクシーなど
宿泊費(1泊5,500円×7泊)38、500ビジネスホテル利用
食費(外食や買い出し)30,000滞在中のもの、洗濯費、差入など
レンタカー(ガソリン代含)45,000田舎なので足として必須
合計178,0001か月分の目安

それ以外はだいたい2泊~3泊で、やることをリストアップして集中的にこなしていきました。

2泊3日滞在時の費用

項目金額(円)備考
飛行機代(往復)43,000片道2.5時間(マイレージ利用の時も有)
新幹線代(往復)16,500片道2.5時間(早割利用)
上記以外の交通費(往復)5,000乗り継ぎ、タクシーなど
宿泊費(1泊5,500円×2泊)11,000ビジネスホテル利用
食費(外食や買い出し)10,000滞在中のもの
レンタカー(ガソリン代含)13,000田舎なので足として必須
合計98,5001か月分の目安

父が怪我をして、父の入院~転院~施設入所、母のショートステイ~入院~施設入所までの約4か月間に5回帰省し、総額約60万円弱の出費になりました。

妹の方は詳細金額まで把握していませんが、1回あたりの費用が少ないけれど回数多いので同じくらいでした。

この費用については、父から預金から使ってくれと言ってもらったので、私たち姉妹の家計にはあまり影響しなかったのでありがたかったです。

入所後は、私は年に1〜2回、妹は年の3~4回くらいの帰省で、交通費・宿泊費は入所前よりかからなくなっています。

見えない出費の正体

  • 移動・宿泊費:特に施設探し中は連泊や頻繁な帰省で高額に
  • 食費・外食費:見学や手続きの合間に発生
  • レンタカー・タクシー代:公共交通が少ない地域では必須
  • 差し入れや必要物品:入居準備でまとめ買いすることも

費用面で失敗しないための3つの工夫

  1. 入所前と入所後で分けて予算を立てる
    施設探し期間は出費が集中するので、年間計画に入れておく。
  2. 滞在をまとめる
    見学・役所手続き・医療関係などを同じ帰省期間内に集約。
  3. 予備費を持っておく
    施設候補が見つからず長期化するケースに備える。
  4. 新幹線代や飛行機代は早割やマイレージを利用する
    可能な限り早めに予定を立てて上記を利用する。

まとめ

有料老人ホームの費用は、「入所後の月額費用」だけでなく、「施設探し期間の出費」も見逃せません。

特に遠距離介護の場合、この準備期間の負担は予想以上に大きく、場合によっては数十万円単位で家計に影響します。

施設選びを始める段階から、入所前・入所後の総額を見える化することが、後悔しないための第一歩です。