ネットやパンフレットで見て「ここがいいかも」と思っていた施設。
でも実際に見学に行ってみると、「写真と全然ちがう…」と戸惑うことばかりでした。
父の入院をきっかけに、急きょ母の入所先を探すことになった私たち姉妹。
いくつもの施設を見て回る中でわかったのは、「現地に行ってみないと、本当の姿はわからない」ということ。
この記事では、
・ネット情報とのギャップに驚いた実例
・姉妹で違った“施設選びの基準”と話し合いの中で見えたこと
・実際の見学でチェックしていたポイント(料金・清潔感・医療連携など)
をご紹介しています。
今、施設選びを考えている方にとって、「何を大切にすればいいか」のヒントになればうれしいです。
「こんなに違うなんて…」現地を見て初めてわかったこと
もともと両親が一緒に入る予定だったのはサービス付き高齢者住宅。
でも父の入院で施設選びの条件が変わりました。
それは、母がひとりで入れてかつ父が退院後に入れる施設。
しかもなるべく早く見つける必要がありました。
「とりあえずネットで良さそうなところを…」と軽い気持ちで調べ始めたものの、実際に見学に行ってみて、びっくり。
写真や口コミではわからない“空気感”や“人の雰囲気”に、私たち姉妹は戸惑いながらも、ひとつずつ現実に向き合っていきました。
【ネット情報とのギャップ】「写真はきれいだけど…」現地での驚き
ネットで「認知症対応 施設 親切」なんて検索しながら、候補の施設をいくつかピックアップしていた私たち姉妹。
資料請求もして、パンフレットも取り寄せて見比べてみました。
サイトやパンフレットを見るとどこもきれいで、「ここならいいかも」と思えるところもちらほら。
でも、実際に見学に行ってみて、思ったんです。
「ネットやパンフレットと現実、こんなに違うんだ…」
たとえば、とある施設。
ホームページでは明るい共用スペースに、スタッフが入居者に寄り添って話しかけている写真。
でも現地に行ってみると、共用スペースは薄暗く、スタッフさんたちも少し事務的で慌ただしい印象。
パンフレットには載っていない“におい”や“雰囲気”もあります。
施設内のにおいが強くて、「母は匂いに敏感だから、ここは合わないかも…」と感じたことも。
もちろん、すべての施設が悪いというわけではなくて、
「ネットでは地味だけど、実際行ってみたらすごく温かかった!」というケースもありました。
つまり、自分の目で見て、感じることがやっぱり大事。
写真や説明ではわからない「相性」って、あるんだなと思いました。
【姉妹で価値観の違い】に気づいた瞬間
施設の見学を進めるなかで、もうひとつ気づいたのが、姉妹で考える“良いと思う施設”が違うということ。
私は、アクセスの良さやスタッフの柔らかさを重視して「Aの施設がいいかも」と感じたけれど、妹は「Bの方が清潔感があって、対応がしっかりしてる」と言う。
正直、驚きました。
同じ母を想って見学しているのに、こんなに感じ方が違うんだなって。
たとえば、私は「母が穏やかに過ごせること」を一番に考えていて、多少建物が古くても、職員さんの話し方や対応の優しさに安心を覚えていたんです。
一方、妹は「万が一の医療対応や、夜間のスタッフ体制」などを重視していて、安心の基準が少し違っていたんですね。
でも、その違いを話し合うことで、何を大事にすべきかが少しずつ見えてきた気がします。
最終的には、「私たちが安心できる場所」とともに、「母が“自分らしく過ごせるか”」を判断の軸にしよう、とふたりで合意できました。
【比較の軸を明確に】わが家の場合の判断ポイント
たくさん見学してわかったのは、「何を優先するか」を自分たちで決めておかないと、選べない!ということ。
私たちが実際にチェックしていた判断軸を、ここで少しまとめておきます。
✅ 料金(月額の費用・初期費用)
- 初期費用が数十万円〜数百万円と大きく異なる施設も。
- 月々の費用に何が含まれるかも要チェック。
- 認知症の進行で必要なサポート内容によって追加費用が発生する施設も。
ここは最も重要な点です。
我が家の場合は、両親の年金と貯蓄で賄えることが前提。
✅ 距離(自宅からのアクセス)
- 「近くに住んでいれば、頻繁に面会できる」…のだけど、私たちはどちらも遠距離。
- それでも、どちらかが帰省した際にアクセスしやすい場所かどうか、は重要なポイントに。
ここも重要ポイント。
最終的には新幹線の駅から車で5分の施設に決定。
施設に行くだけならタクシーで、他にも用事がある時はレンタカーを利用。
✅ スタッフの対応・雰囲気
- 見学中の説明の丁寧さ、スタッフの挨拶の仕方、入居者への声かけなどを観察。
- 入居者がスタッフに心を開いているか?というところも感じ取るようにしていました。
これは、ネットやパンフレットだけではなかなかわかりません。
我が家は最終的には施設のスタッフさんの全体的な対応のよさで決めたところが大きいです。
✅ 施設の清潔感・生活環境
- 居室だけでなく、廊下やトイレ、共有スペースの清掃状況は意外と大事。
- 食事の内容やイベントの取り組みなども確認ポイントに。
これも、見学しないとわからないことでした。
私たちが最終的に決めた施設は、、
- ひと月の食事内容は献立表に、毎回の食事内容はホワイトボードに記入
- 季節のイベントあり:写真を撮って貼ってあったり、季節ごとに様子を知らせる新聞のようなものを送ってくださったりしていました
- クラブ活動あり(書道や手芸、絵画、音楽、体操など)
- 居室、共用部分も清掃が行き届いている
- お風呂は週2回、散髪も定期的にしてくれます
ひとつひとつに正解はないけれど、「どこが大事か」を姉妹で共有しておくことで、迷わず決断できるようになったと感じています。
✅ 医療との連携体制
- 認知症への対応経験があるかどうか、夜間や緊急時の対応はどうなっているか?
- 提携医療機関の内容や、看護師が常駐しているかどうかも要確認でした。
迷いながらも、“納得”を大事に
100点の施設は、たぶんありません。
でも、「ここなら大丈夫」「母が安心して過ごせそう」と思える場所に出会えたことは、本当に大きな安心につながりました。
見学して、迷って、話し合って…。
迷ったからこそ、納得して選べたんだと思います。
私たちのように、遠距離で動ける時間が限られている方こそ、「早めに動いて、納得できる準備」をしておくことが本当に大切だと、心から思いました。